色々なことに一区切りをつけなければいけないみたい。

でも、できることならば、
もう一度抱きしめられたかった。

キスでも、セックスでもなく。
 
 
ただ、あなたの匂いと温もりを感じたいと思うだけ。
 
 
ほのかな香水、ほんの少しの煙草。

背の高いあなたの、胸のあたりに顔をうずめて。
長くなったあたしの髪を、
ゆっくりゆっくり撫でてほしかった。
 
 
子ども扱いするみたいでもいい。

愛情なんてなくたっていい。

甘い言葉もいらない。

嘘もいらない。
 
 
いやらしい関係でも。
不倫でも。
セフレでも。
 
 
ただ、あと一刹那、そばに居てほしいと願うだけ。
 
 
あたしは、あなたの温もりが好きだったから。
 
 
 
『あと一度だけ、あたしを抱きしめて』
 
それで、オワリにしよう。 
 
 
メールの中で、あたしは言葉を飲み込む。

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