ちゃんと泣く
2005年3月29日見知らぬ土地に引っ越して、気分を新たに前に進む。
理想はそれだと思う。
だけど、私の中からはネガティブな気持ちばかりがあふれてきてた。
仕事のために引越しが決まって。
家も、会社が決めた所で。
思い通りにいかない引越しや、
知らない土地での生活というプレッシャー、
さびしい気持ち。
何より、自分が今ここにいる理由がどうしてもわからなかった。
皆より一足早く仕事が始まり、
ただ忙しい日にいろんな感情も忙殺されながら一日を終え、
部屋に戻り座り込むたびに「私はここで何をしてるんだろう」って思った。
引越しも、いろんな手続きも、荷解きも仕事の準備も全部ひとりでやった。
東京からも実家からも遠いから、
友達や家族に頼っちゃいけないって思ってた。
卒業式には出ることができ、1泊2日だけ東京に戻った。
その2日間も予定がいっぱいで、私は息をつける暇もなく動き回ってた。
Mに会う暇なんてあるわけもなく。
彼にあったのすら、夜だけだった。
「いっぱいいっぱいな顔してる」
久々にあった彼にそう言われて、
私は思ったよりも自分に余裕がなくなってたことに気づいた。
一緒に食事をして、お酒をほんの少しだけ飲んで。
初めて、息をつけた気がした。
体温がわかるくらい近くで話をしていることや、話しながら見る横顔が、
気の遠くなるくらい久しぶりのもののように思えた。
泊まっているホテルにこっそり彼を呼んで、
ぎゅうっと抱きしめられて、やっと張り詰めていたものが緩んだ気がした。
裸で抱き合って「あったかいなぁ」って思いながら、
やっと私はほっとした。
それと同時にどうしようもなく悲しくなった。
こんなにあったかい人から離れて、
どうして私はあんな遠い所にいるんだろう。
気がつくと、私は泣き出していた。
はじめはジワ…と溢れただけの涙だったのに、とまらなくなった。
彼が気づいて「泣くなよ」って言った。
言われると、余計に涙は止まらなくなった。
涙をぬぐってくれようとする彼から顔をそらそうとしたけれど、
彼はそれを許してくれなかった。
隠れて泣こうとする私に、彼は「なくなよ」って言うのをやめた。
「泣くなら、ひとりで泣かないでちゃんと泣きなさい。
俺がここにいるんだから」
私は、彼の胸に顔を隠して、いっぱい泣いた。
嗚咽を漏らして、子供みたいに泣いてた。
子供のころだって、あんなに泣いたことはないんじゃないだろうか。
そう思えるくらいに。
泣き虫。
彼はそう言った。
うん、そうだと思う。
あなたの前では。
Mの前では、私はいつだって元気なワタシだ。
落ち込んだり、ネガティブだったりする自分は、Mの前ではみせたくない。
多分、彼とMの一番の違いはここなんだろう。
「ずっと好きだよ」
部屋を出るのは、彼のほうが早くて。
見送る私に、彼はそう言った。
彼の言う「ずっと」は、Mの言う「ずっと」とは違う。
彼とも、Mとも。
次にあえるのはいつだろう。
2日間だけ学生に戻って、
今、また私は遠くに戻ってきた。
また、なれない環境と忙しさにあたふたしてる。
ここにいることの理由付けは、まだできてない。
でも、なんとなく、前よりはがんばれる気がする。
理想はそれだと思う。
だけど、私の中からはネガティブな気持ちばかりがあふれてきてた。
仕事のために引越しが決まって。
家も、会社が決めた所で。
思い通りにいかない引越しや、
知らない土地での生活というプレッシャー、
さびしい気持ち。
何より、自分が今ここにいる理由がどうしてもわからなかった。
皆より一足早く仕事が始まり、
ただ忙しい日にいろんな感情も忙殺されながら一日を終え、
部屋に戻り座り込むたびに「私はここで何をしてるんだろう」って思った。
引越しも、いろんな手続きも、荷解きも仕事の準備も全部ひとりでやった。
東京からも実家からも遠いから、
友達や家族に頼っちゃいけないって思ってた。
卒業式には出ることができ、1泊2日だけ東京に戻った。
その2日間も予定がいっぱいで、私は息をつける暇もなく動き回ってた。
Mに会う暇なんてあるわけもなく。
彼にあったのすら、夜だけだった。
「いっぱいいっぱいな顔してる」
久々にあった彼にそう言われて、
私は思ったよりも自分に余裕がなくなってたことに気づいた。
一緒に食事をして、お酒をほんの少しだけ飲んで。
初めて、息をつけた気がした。
体温がわかるくらい近くで話をしていることや、話しながら見る横顔が、
気の遠くなるくらい久しぶりのもののように思えた。
泊まっているホテルにこっそり彼を呼んで、
ぎゅうっと抱きしめられて、やっと張り詰めていたものが緩んだ気がした。
裸で抱き合って「あったかいなぁ」って思いながら、
やっと私はほっとした。
それと同時にどうしようもなく悲しくなった。
こんなにあったかい人から離れて、
どうして私はあんな遠い所にいるんだろう。
気がつくと、私は泣き出していた。
はじめはジワ…と溢れただけの涙だったのに、とまらなくなった。
彼が気づいて「泣くなよ」って言った。
言われると、余計に涙は止まらなくなった。
涙をぬぐってくれようとする彼から顔をそらそうとしたけれど、
彼はそれを許してくれなかった。
隠れて泣こうとする私に、彼は「なくなよ」って言うのをやめた。
「泣くなら、ひとりで泣かないでちゃんと泣きなさい。
俺がここにいるんだから」
私は、彼の胸に顔を隠して、いっぱい泣いた。
嗚咽を漏らして、子供みたいに泣いてた。
子供のころだって、あんなに泣いたことはないんじゃないだろうか。
そう思えるくらいに。
泣き虫。
彼はそう言った。
うん、そうだと思う。
あなたの前では。
Mの前では、私はいつだって元気なワタシだ。
落ち込んだり、ネガティブだったりする自分は、Mの前ではみせたくない。
多分、彼とMの一番の違いはここなんだろう。
「ずっと好きだよ」
部屋を出るのは、彼のほうが早くて。
見送る私に、彼はそう言った。
彼の言う「ずっと」は、Mの言う「ずっと」とは違う。
彼とも、Mとも。
次にあえるのはいつだろう。
2日間だけ学生に戻って、
今、また私は遠くに戻ってきた。
また、なれない環境と忙しさにあたふたしてる。
ここにいることの理由付けは、まだできてない。
でも、なんとなく、前よりはがんばれる気がする。
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