オアズケ
2004年12月4日薬のせいでひどく眠くて気だるかった。
ぼんやりした頭でバイトに行き、時計を何度も見ながら時間が過ぎるのを待った。
できることならば、早く家に帰って眠りたかった。
やっとバイトを終えて店をでると、見慣れた姿があった。
彼だ。
「迎えにきた」
彼が言った。
「会えないって言ったのに」
彼は聞こえないフリをして、手を差し伸べてくる。
「さ、帰ろう」
意地を張っても仕方ないので、私は言われるがままに手をとる。
「寒くない?」」
「平気」
いつものやりとり以外、ほとんど何も話さなかった。
家に着くなり、きつく抱きしめられた。
「久しぶりのyucoの匂いだ」
彼が言う。
首に軽くキスをした。
「天気がよければバイクで参上したんだけどな」
「昨日くるんじゃなかったの?」
彼の言葉にこたえず、私は言った。
彼も、私の言葉にはこたえてくれなかった。
私を上向かせて、唇を重ねた。
私は抵抗しようとしたが、彼の力が思いのほか強くて何もできなかった。
押さえつけるみたいに強引なキスだった。
やっとのことで唇を離したが、今度は抱きかかえられた。
「ちょっと!」
制止も聞かず、そのままベッドに放り出された。
彼が上に乗る。
「待ってよ。何? どうしたの?」
無理矢理服を脱がされた。
彼が胸を吸う。
手が全身をなで、下腹部に伸びる。
私は覆い被さる彼を押し戻そうとしたが、それもできなかった。
彼が自分の服を脱ぐ。
私の手を、強引に彼のに触れさせた。
驚くほどかたく大きくなっていた。
愛撫も早々に、私の膝をひらく。
強引に中に入ってきた。
「いたいっ……」
私はうめいた。
けれど、彼は私の声など聞こえていないかのように、激しく動いた。
「いやっ……」
暴れようとする私の腰をつかみ、奥へ奥へと乱暴に突いてくる。
『犯す』という表現が思い浮かぶほど、強引なセックスだった。
何度もキスをして、何度も重なり合った彼なのに、怖いと感じたほどに。
私は抵抗をやめて、わけもわからないまま、ただ時が経つのを待っていた。
彼が果てた。
彼は呼吸を乱したまま、私の顔を見ていた。
私は自分がどんな表情をしていたのか分からなかった。
やがて、彼は私を抱きしめた。
その抱きしめ方がいつものように優しかったので、私は少しホッとした。
「ごめんな」
キスをした。
唇が触れ合うだけの、優しいキスだった。
「えっちしたかったから迎えにきたの?」
私は言った。
多分、声は冷たかったと思う。
「これが『話したいこと』だったの?」
彼はこたえてくれなかった。
「近くにいるのに会えないのって、離れてるのよりキツイな。
餌を目の前にしてオアズケをくらってる犬って感じだ」
「……私、餌じゃないもん」
彼が苦笑する。
「yuco、早く卒論終わらせてくれよ」
「うん」
「学生と付き合ってるから仕方ないけど、やっぱり待ってるのはキツイ」
私は黙った。
たった2週間だよ?
どうしてあなたはたった2週間を待ってくれないの?
私はあなたの何倍も待ってたよ?
私はわけもなく泣きたくなってくちびるを噛んだ。
そして、彼の胸にずっと顔をうずめていた。
ぼんやりした頭でバイトに行き、時計を何度も見ながら時間が過ぎるのを待った。
できることならば、早く家に帰って眠りたかった。
やっとバイトを終えて店をでると、見慣れた姿があった。
彼だ。
「迎えにきた」
彼が言った。
「会えないって言ったのに」
彼は聞こえないフリをして、手を差し伸べてくる。
「さ、帰ろう」
意地を張っても仕方ないので、私は言われるがままに手をとる。
「寒くない?」」
「平気」
いつものやりとり以外、ほとんど何も話さなかった。
家に着くなり、きつく抱きしめられた。
「久しぶりのyucoの匂いだ」
彼が言う。
首に軽くキスをした。
「天気がよければバイクで参上したんだけどな」
「昨日くるんじゃなかったの?」
彼の言葉にこたえず、私は言った。
彼も、私の言葉にはこたえてくれなかった。
私を上向かせて、唇を重ねた。
私は抵抗しようとしたが、彼の力が思いのほか強くて何もできなかった。
押さえつけるみたいに強引なキスだった。
やっとのことで唇を離したが、今度は抱きかかえられた。
「ちょっと!」
制止も聞かず、そのままベッドに放り出された。
彼が上に乗る。
「待ってよ。何? どうしたの?」
無理矢理服を脱がされた。
彼が胸を吸う。
手が全身をなで、下腹部に伸びる。
私は覆い被さる彼を押し戻そうとしたが、それもできなかった。
彼が自分の服を脱ぐ。
私の手を、強引に彼のに触れさせた。
驚くほどかたく大きくなっていた。
愛撫も早々に、私の膝をひらく。
強引に中に入ってきた。
「いたいっ……」
私はうめいた。
けれど、彼は私の声など聞こえていないかのように、激しく動いた。
「いやっ……」
暴れようとする私の腰をつかみ、奥へ奥へと乱暴に突いてくる。
『犯す』という表現が思い浮かぶほど、強引なセックスだった。
何度もキスをして、何度も重なり合った彼なのに、怖いと感じたほどに。
私は抵抗をやめて、わけもわからないまま、ただ時が経つのを待っていた。
彼が果てた。
彼は呼吸を乱したまま、私の顔を見ていた。
私は自分がどんな表情をしていたのか分からなかった。
やがて、彼は私を抱きしめた。
その抱きしめ方がいつものように優しかったので、私は少しホッとした。
「ごめんな」
キスをした。
唇が触れ合うだけの、優しいキスだった。
「えっちしたかったから迎えにきたの?」
私は言った。
多分、声は冷たかったと思う。
「これが『話したいこと』だったの?」
彼はこたえてくれなかった。
「近くにいるのに会えないのって、離れてるのよりキツイな。
餌を目の前にしてオアズケをくらってる犬って感じだ」
「……私、餌じゃないもん」
彼が苦笑する。
「yuco、早く卒論終わらせてくれよ」
「うん」
「学生と付き合ってるから仕方ないけど、やっぱり待ってるのはキツイ」
私は黙った。
たった2週間だよ?
どうしてあなたはたった2週間を待ってくれないの?
私はあなたの何倍も待ってたよ?
私はわけもなく泣きたくなってくちびるを噛んだ。
そして、彼の胸にずっと顔をうずめていた。
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